ナツノクモ 4 (IKKI COMICS)

ナツノクモ 4 (IKKI COMICS)

篠房六郎は私が大好きな漫画家の一人です。
アフタヌーンに掲載された読みきりの商業初作品「やさしいこどものつくりかた」を
雑誌掲載時に読んで気に入っていて、その後掲載された「空談師」で惚れました。


MMORPGやネットゲームを題材とした小説や漫画自体、まだまだ数が少ないと思いますが、
その中でもコレだけ完成度の高い架空のゲームを題材にしている作品は非常に少ないといえるでしょう。


確かに現実のゲーム(リネージュ)と被る部分が若干ありますが、


「死亡したら即復活できるがステータスダウン」
「死亡した状態で切断したらキャラロスト」
「個人でワールド(鯖)を作る事が可能」
「隠し技能は死亡したら消える」
「PKは原則自由」


など、優れた良い設定だと思います。
特に、始めの二つのルールがゲーム内でのPKに深みを与えています。
ワールドを自由に作れるというのも、凄い事ですよね。


後はやっぱり、プレイヤースキルが大きくPCの強さに反映される辺りが、
今のMMORPGではなかなか実現しきれない部分で、あこがれます。


また、あくまで「オンラインゲームをプレイしているプレイヤーの話」
というところにこだわりがあるように感じるので、.hackなどとは一線を画していると思います。
(考えてみればこの「ボード」では自律型人型NPCというのが殆ど登場しないですね)


ということで私の中では篠房六郎MMORPGを題材とした漫画の先駆者という位置づけになっています。
異論があればぜひどうぞ。ほかにより秀逸なものがあればぜひ見てみたいです。


しかしもしこの「ボード」のようなゲームが将来登場したなら、是非にもプレイしたいところですね。


このシリーズは文句無く私の中では5/5点です。